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ここで唐揚げ弁当を食べないでください
¥1,000
『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』 小原晩著 わたしは一人でいるとき、常に脳内で独り言を喋っている。その時に起きているタイムリーなことから過去のことまで忙しなく、喧しく。 就職して何年か経った時、朝起きられなくなった。とにかく起きられなくて、日中の眠気も辛かったので仕事後の生活の全てを放棄して即、寝た。ダメだった。全然起きられない。アラームが何度なっても頭の中がもったりとしてまぶたが重い。何時に寝ようとも起きられないならいっそのこと思いきり夜更かししてやろう。深夜2時ごろから5時間寝て10分で家を出る生活をした。全く褒められた生活ではなかったしもうやりたくないけど、頭のぼやけた日中のぐずぐずを取り戻そうと深夜にいそいそ煮込み料理をしていたあの時間が好きだった。1日の終わりが曖昧で、でもそこにだけ存在していたわたしの生活の欠片が確かにあった。脳内おしゃべりで自然発生する果てしない連想ゲームの途中そんな風に思った。 この本には、わたしが脳内で喋りまくっている独り言のような、ともすれば誰の目にも触れなかったかもしれない彼女の日々がある。 ファンタジーでもなんでもないただただ写実的なその日その時があるだけで、憧れるような日々ではない。でも、中々どうして、こんなにも愛おしい。
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思いがけず利他
¥1,760
『思いがけず利他』 中島岳志著 ミシマ社
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もしもし、運命の人ですか。
¥704
『もしもし、運命の人ですか。』 穂村弘著 角川文庫 私が今回紹介するのは、穂村弘さんの「もしもし、運命の人ですか。」です。 恋愛エッセイ集になります。 人間関係は(恋愛もその一つ)色んな感情が剥き出しになって、各々の但性が、人溢れ、人間らしさが出ますよね~。 自分が持っているその部分に気づいたとき、つい恥ずかしくなってしまうけど、この本では穂村さんの奥底に眠る真の人間らしさ全開の言葉達が沢山潜んでいます。 結携、変人です。←褒め 言わないだけで、この様な想いは誰もが持っている筈。 私はこんな内に勧めた想いを交わし、出人とおかり合えたとき「そう!この瞬間を持っていた!」と、ときめいてしまうのですが・・・ 穂村さんの包み隠さず言葉にしていく姿が愛おしく、かつ新鮮で、読み終わった頃には、まんまと穂村弘という人間にハマっていましたぁ。 素直に言葉にして生きるって素敵ですよね、私もそうしたい! とにかく笑いました。困ったもんです。 最後に、読む際はにお洒落なカフェは避けるよう助言を残しておきます。 この本を読んだ方と、いつかお話できることを楽しみにして。 それでは、また!
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モヤ対談
¥1,870
『モヤ対談』 花田奈々子著 小学館 この本は、書店を経営する著者が20名のゲストを招き、さまざまなテーマについて語る対談集である。著者が自ら気になる本を選んでいることもあり、対談が「自分ごと」であるのが本書の魅力である。SNSの急劇な発達で、自分ごとで発言すること、特に文字に残すことの怖さを覚える今日。この本を読むと、自分が感じる興味や違和感をうまく言葉にしていて、言語化することで他人と共有できる楽しさを改めて感じた。 「日本語はこわくない」の著者、飯間浩明氏との対談の中で「言葉はマルバツじゃないんだよ、と伝えたい」という一文がある。言葉にはマナーがあることは理解するが、時代や流行りによって用例用法がかわるのは当たり前のことで、それにうまく流されることも必要なのだ。正解不正解を考えていると、日本語を楽しむことを忘れてしまい、誰にも指摘されないことを大切にしすぎる故に、伝えたいことが表現できない…そのような人が私も含め多い気がしている。 言葉は、表現は、人によって異なる。それはその人のセンスや好みが集約されたものであり、そこが面白い。その幅を自分にも他人にも許すことで、言葉をもっと楽しもう、と。全編を通して、対談の中に自分も入り込める1冊。さらに、この本のいいところは、対談先の本が読みたくなるところ・・・読みたくなった本は、ぜひ住職書房でお買い求めくださいね。
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ミスドスーパーラブ
¥1,650
SOLD OUT
『ミスドスーパーラブ』 西川タイジプロデュース トーキョーブンミャク ようやく社会にも認められ、自分でお金を稼げるようになった、大人なのに、未だにドーナツに救われることはたくさんある。嬉しい時も元気がない時もついミスドに寄ってしまう。 住職書房に入荷されてからずっと推している『ミスドスーパーラブ』。題名の通り、たくさんの方のミスド愛が26メニューで語られている1冊。 18Pのポン・デ・ストロベリーの話を読んで、チョコに混ざったイチゴのさりげないつぶつぶがどうしても気になり、いつもなら選ばないドーナツを食べてみた。ピンクの丸をひとつかじると、確かに、この話に出てくるアランくんが「だいすきだ」というのもわかる。 「美味しい」じゃ足りないから「だいすきだ」なんだ。食べ終わる頃にはつぶつぶの虜になってしまった。 98Pからは私の好きなゴールデンチョコレートの話。これを食べれば、「私は子どもです、と宣言するみたいに星くずを生み出すことができる」のだ。この時ばかりは子どもみたいに美味しい顔をして、黄金色の粒をボロボロこばしながら食べられるし、それを許してくれるから大人になってもつい選んでしまう。そんなふうに、ずっと変わらすみんなの毎日に寄り添ってくれるからこそ、それぞれの色んなラブがある。ミスドのドーナツは今日も誰かを救っているはず。
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STONER
¥2,760
『STONER』 ジョン・ウイリアムズ著 東江一紀訳 作品社 「ストーナー」、これは主人公の名前。農家の息子だが、ある機会を得て大学へ進学したのをきっかけに、教師としての道に進む。決してめずらしくもない人生の話。大きなクライマックスはなく、ただ時が来たら誰にでもおとずれる幕引きによって締めくくられる。決して誇張せず、卑下もしない文章で、その人生を静かに見つめて語りとめていく、その眼差しにふれる。 人生。大げさな言葉だと思う。「たった一度の人生だから・・・」みたいにいうひともあれば「まあ人生なんて所詮は・・・」みたいに言うひともある。美しいというひともあれば醜いと言うひともあるだろう。 そういう意味でこの本は、振り返ればまぎれもなく人生の話なのだけれど、それによって何も訴えかけないし、伝えない。ただのストーナーの人生のある瞬間が、読者の人生のある瞬間と呼応する。心に水面のようなものがあるなら、彼と読者の同じ場所に何かが落ちて波立つ。 かなしい場面でなくてもかなしい。愛おしい人物でなくても愛おしい。読んでいると度々そんな思いがして立ち止まる。それはたぶん、日々の生活に劇的な出来事が何もなくても、私たちの心はいつも何かを感じている、その書き写しだからだと思う。おすすめです。
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喫茶店で松本隆さんから聞いたこと
¥1,540
『喫茶店で松本隆さんから聞いたこと』 山下賢二著 夏葉社 「本を読む」と聞いて、どんな行為を想像するだろう。一冊の本を最後まで読み切ることだけが「本を読む」ことではないと思う。好きな部分を繰り返し読むことも、ぱらぱらと無作為に開いた貢から読む行為も「本を読む」ことだと思う。そんなふうに「本を読む」という行為をもっと自由に捉えなおしてもらいたい。世の中にはたくさんの本が存在していて、題名はもちろん、本の形や色も千差万別だ。そこから本の内容を推測することもある意味「本を読む」行為な気がする。読んでいなくてもその本について語れることはたくさんある。どこで買ったのか、誰から貰ったのか、なぜ興味を持ったのか、なぜ読んでいないのか・・・ここまで語ると読んだ気になってしまいそうだ。 本を読んでいると、著者や登場人物と話をしている気分になる時がある。『喫茶店で松本隆さんから聞いたこと』は、読んでいるとまるで松本隆さんが隣に座っているかのような気分になる。その言葉はまさに喫茶店で語られるようなとりとめのない、しかし心に留めておきたい言葉ばかりだ。 本の佇まいは、文庫本より少し背が高いくらい、表紙はさらさらと触り心地が良い。どこまでも持ち歩いてもらいたい、いつまでも読んでもらいたい一冊だ。
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HSPブームの功罪を問う (岩波ブックレット 1074)
¥682
『HSPブームの功罪を問う (岩波ブックレット 1074)』飯村周平薯 岩波書店刊
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ちゃぶ台10 特集:母語ボゴボゴ、土っ!
¥1,980
『ちゃぶ台10 特集:母語ボゴボゴ、土っ!』ミシマ社刊
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ちゃぶ台9 特集:書店、再び共有地 (生活者のための総合雑誌)
¥1,980
『ちゃぶ台9 特集:書店、再び共有地 (生活者のための総合雑誌)』ミシマ社刊
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ちゃぶ台7 特集:ふれる、もれる、すくわれる (生活者のための総合雑誌)
¥1,870
『ちゃぶ台7 特集:ふれる、もれる、すくわれる (生活者のための総合雑誌) 』ミシマ社刊
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権力
¥3,190
『権力』橋爪大三郎薯 岩波書店刊
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「ビックリハウス」と政治関心の戦後史――サブカルチャー雑誌がつくった若者共同体
¥2,750
『「ビックリハウス」と政治関心の戦後史――サブカルチャー雑誌がつくった若者共同体』富永京子薯 晶文社刊
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恋愛の哲学
¥1,760
『恋愛の哲学』戸谷洋志薯 晶文社刊
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存在の耐えられない愛おしさ
¥1,650
『存在の耐えられない愛おしさ』伊藤亜和薯 KADOKAWA刊
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THIS TOWN マヌケで切実な物語
¥1,320
『THIS TOWN マヌケで切実な物語』大嶋宏和薯 合同会社 インセクツ刊
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街を変える小さな店 京都のはしっこ、個人店に学ぶこれからの商いのかたち。
¥1,760
『街を変える小さな店 京都のはしっこ、個人店に学ぶこれからの商いのかたち。』堀部篤史薯 京阪神Lマガジン社刊
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本屋で待つ
¥1,760
『本屋で待つ』佐藤友則 島田潤一郎薯 夏葉社刊 『本屋で待つ』のことを簡単に伝えるとしたら、タイトル通り『本屋で待つ」。そして帯の「ゆっくり、元気になる」。このタイトルと帯のことばが持つ意味が読み進めるたびにじわじわとしっくりとこれ以上ないものに思えてくる。 舞台は広島の山間部にある「ウィー東城店」という本屋さん。フラフラしていた大学時代から急遽実家の本屋さんの店長になり紆余曲折あった佐藤友則さんの話を夏葉社の島田さんが書き下ろした物語。奮闘して忙しい中でもお客さんのどんな話にも耳を傾け、手助けする佐藤さんも印象的だったが、それよりも印象に残ったのは従業員さんのこと。 学校に馴染めなかったり、ひとと接するコトを苦手としていた子たちが地域の人たちと話すことでゆっくりと大丈夫になっていく。佐藤さんは特別なことを教えたわけではなくただ見守り、手を添えるように新たなステップに進むための声をかけるだけ。(この時の言葉がひとつひとつ響いてくるものばかり!)そして、ゆっくりと待つ。 せわしない世の中だけれども、自分のペースで自分が寄り添える場所でゆっくり進んでも大丈夫かなと思える一冊。確実に今年の5本指に入るかな?
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京都の中華
¥880
『京都の中華』姜尚美薯 幻冬舎刊 こんにちは本屋見習いのみはるです。 毎月一冊、私の好きな美味しい本を中心に(美味しい本とは?の話もいつかする予定です!)たくさん紹介できたらと思っています!どうぞお付き合いください。 さて、今回の美味しい本は姜尚美さんの『京都の中華』です!糸仙さんの酢豚の写真が表紙なんですが、はちみつ色の酢豚がもう美味しそう。 「京都の中華とは何か」という疑間をきっかけに街の歴史や風習に寄り添い受け継かれる味、そこに暮らす人たちに合わせ変化し続ける味など、名店の逸品と共に深掘りされている一冊です。 京都の中華が熱い!と以前から聞いていましたがこんなにもシンプルで、繊細で、美しい中華を知ると読んでるだけで虜になり京都に行きたくなります。 「たけのこぎっしりのえびの春巻き」「みたらしのような肉だんご甘酢」など題名だけでよだれが出ちゃいそうなのもこの本の推しポイント。解説は誠光社の堀部さんです。ぜひ読んでみてください。 P.s.高山の美味しい味もいつか本にまとめたいと思っているので同志募集します!
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好きよ、トウモロコシ。
¥1,650
『好きよ、トウモロコシ。』中前結花薯 hayaoki books刊 東京を離れて1年と半年が経った。 今はもうすっかりこちらの生活に慣れてしまって、本当にあの街で生活していたのだろうかと思うほどだが、読んでいるうちに東京のことを思い出した。バイトしてた新宿、新橋。遊び場だった渋谷。好きな人が住んでた下北沢。 ひとりでよく行った吉祥寺。言い出せばキリがないほどたくさん出てくる「あの街」。すり抜けていく風の感じや街の匂い、人やものの音まで鮮明に蘇る。どこも好きな街だった。東京に残っていたらどんな生活をしているのだろうと思うこともあるが、ここで山や空を眺めてぼーっと過ごす今は今でいい。 日常のちょっとした出来事、モヤモヤや会話を深掘りして文章にするのは難しい。でも中前さんの文章を読んでいると、それは必要なことにも感じる。時間が経つと忘れてしまうかもしれないちょっとした出来事の中の美しさや愛おしさは残しておきたいと思う。東京の生活ではずいぶん寄り道をし、必死に日々を生きていたがすべての出来事は無駄に重ねたわけじゃない。選んだり選ばなかったりしながらひとつずつ積み上げて、抱えて、わたしはいまここにいる。忘れないうちに残しておかないと。この本は風に飛ばされたりせず、無事に本屋に並びここに辿り着いたことを中前さんに伝えたい。
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科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?
¥1,650
『科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?』矢野創薯 河出書房新社刊
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まく子
¥715
『まく子』西加奈子著 福音館書店刊 小さな温泉街に住む大人になりたくない小学5年生の音と何でもまくのが好きな転校生のコズエ。作家さんのなかで西加奈子さんが1番好きで他の作品もほとんど読み漁ってどれも大好きなのですがこの『まく子』、なんか小さな温泉街っていうだけでなんか良くないですか! しかも例えるなら、「SF温泉街GBラブロマンス」!! この物語にはどこの町にもいるような、いわゆる「町の変わり者」が出てきます。そのような人たちは簡単に括ってしまうと、事情があったりして社会に馴染めず外されてしまっている人。 その人たちに焦点を当てているわけではないが、この物語にいてくれて良かったと思えるし、そう思わせてくれる西加奈子さんの登場人物当へのラブみをめっちゃ感じます。 大人になりたくない慧が、成長して死ぬことをコズエを通してしっかり受け止めていく。 メーデー、私たちは誰かと交わる勇気を持たないといけない。意中の人に想いを伝えるのも、嫌いな人とドンばち揉めることもきっと大切なこと。 自分の持っている「粒」を交換し合う勇気を持たなければならない。 読み終えた後はなんだか、ほくほくとした気持ちになれますよ~!
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桃を煮るひと
¥1,760
『桃を煮るひと』くどうれいん薯 ミシマ社刊 くどうれいんさんをおすすめするときは、「読むと友達になりたくなります」とお話している。 同い年なこともあり、過ごしてきた時代背景のようなものが似ているのか、学生の頃の話、親との距離感、世間に対する意識などにすごく共感できる。 くどうれいんさんは短歌や俳句も作られるので、日常のふとした瞬間の切り取り方が上手で、しかもどうでもいいような事や、へんてこな出来事をさらりと表現されているのがとてもステキ。 この本は食に関するエッセイだけれど、美食家と思われたくない、という言葉が何度も出てくるところが親近感を沸き立たせてくれる。 内容も桃を煮る話からファミチキまで幅広い。 私ももちろん美味しい寿司は大好きだけど、サイゼリヤで豪遊することも楽しめる人類である。 食べることと生活することは密接に関わっていて、料理すること、食べることが気分転換やストレス発散になっている人は少なくないはずだ。この前は寿司を食べたら風邪が治りました。これからも、生活に行き詰まったときにはこの本を思い出して、菜箸を握って厨に立ち、たくさんのおいしいを積み重ねていきたい。
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美しいってなんだろう?
¥1,980
『美しいってなんだろう?』矢萩多聞 つた薯 世界思想社刊